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悲運の聖徳太子像 [興味津々]

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ここしばらく、
知り合いに付き添って探訪した聖徳太子像のことを
ちょっとした文章に書き綴っていました。
膨大に所蔵しているアルバムの中から一枚の写真を捜す、
気の遠くなるような作業もしていました。

そんな時、
小さな小さな箱を思い出しました。
中にはこんな聖徳太子二歳像が入っていました。
この聖徳太子像には、
悲しい過去があるのです。

私は旅行が好きで、
しかも同じ場所を四季折々に訪ねることを楽しみにしていました。
そのたびお昼ご飯を楽しみにしていた、
古いお店がありました。
お寺の門前にあったそのお店は、
ずっと立ち退きを要請されていたようです。
かつては宿屋も営んでいたと聞く店内には、
ノスタルジックな調度も多数設えていました。

あるお正月
いつものようにここで昼食を摂っていた私は、
会計をしながらそこに小さな像を発見しました。
南無仏太子像です。
「これは売っていただけるのですか?」
尋ねた私にお店の主人は快く応じて下さり、
太子像の版型は、
この店が所有していることを教えて下さいました。
私は・・・確か2つ置いてあったと記憶しているのですが、
一つを購入して持ち帰りました。

その年の立春の日であったと記憶しております。
東京で仕事をしながらお昼休みのニュースを見ていた私に、
信じられない映像が飛び込んできました。
この店が、行政代執行を受けているのです。
店はみるみるうちに取り壊されていきました。
泣き叫ぶ店主夫妻の姿も映し出されています。
私は遠く東京で、為す術もなく途方に暮れました。

今、店があったことを知る人も
殆どいなくなってしまったのではないでしょうか。
このブログをご覧になった方のなかには、
「あ・・・」とお気づきになる方もいらっしゃることでしょう。
店主ご夫妻と代執行との諍いについては、
誰が悪かったのかを語る気力もありません。
残念な結果になってしまったことを、
嘆くばかりです。

聖徳太子像の版型は、
この時に失われてしまったのだろうと思っております。
代執行の僅か一月前に我が家にやってきたこの像を、
心の痛む記憶として生涯大切にしたいです。
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2016.11.05 西国巡礼の終着・谷汲山華厳寺 [諸国探訪]

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2016.11.05 谷汲山華厳寺


名古屋での出張
空いた時間で出掛けようと思いついたのは
今回の時間がなければ機会もないであろうと思われる辺り。

3年前の秋、
台風通過翌日の西国三十三ヶ所一番札所の那智山靑岸渡寺で、
御滝のあまりの迫力に度肝を抜かれていた私は、
我に帰った瞬間に巡礼納経帳を購入する羽目になってしまいました。
それ以来、
関西方面へ出掛けるご用のさいにコツコツと、
参拝できたお寺で納経を受けていました。

東国からの旅で西国を巡るのは、
簡単なことではありません。
(簡単な方法もあろうとうは思いますが)
そして、昨今の御朱印帳ブームとそのいざこざには
嫌気も差してしまいました。
全ての納経頂戴はこれからの縁と割り切って、
一旦ここで御朱印・納経を目的とすることはおしまい・・・・と、
満願の寺への参拝を決意したのです。

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養老鉄道・揖斐駅


養老鉄道揖斐駅より、コミュニティバスで谷汲山へ。
1時間後にはここからさらに横蔵寺へのバスが出るとのことで、
時間を気にしながらの参拝になりました。

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華厳寺・山門

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本堂前 突っ込みどころ満載の燈籠


本堂には、
お戒壇巡りが設えられていました。
大の暗所恐怖症の私は、
なぜか引き込まれるように闇の中へ誘われてしまいました。
ここ・・・・
善光寺のお戒壇よりはるかに怖いです・・・・(__*)
狭いし、つたい歩く壁がよく分からないし、
なんと上り下りの坂まであるのです。
なにかを掴むことはできたのですが、
それがいったい何であるかも分からず。
人生とは、そんなものかも知れません・・・・・・アハハ・・・(^◇^;)

いただいた納経は、希望せずとも三つ。
納経帳のお寺のページと、
後ろの白紙のページに二つ加えられます。
本堂(観音堂)・満願堂、笈摺堂を指し、
過去・現在・未来を表わしているとのことです。
笈摺堂の納経は未来を表わしているからなのでしょうか、
日付が入っていません。
←単に書いて貰えなかっただけ????(^_^;)

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鯉はそれぞれ、「阿・吽」の意味も持っています


本堂の両柱には、
精進落としの鯉。
ここでお声を掛けられた地元の方によると、
鯉は上を向いているので運気向上の祈願になるようです。

いつもなら参拝する寺社を事前に予習し
ゆったりと時間を掛けてその場で印象に浸りながら巡る私なのですが、
ここしばらくの気分で今回は事前知識も持たずに伺いました。
満願堂、笈摺堂も伺っているはずなのですが、
なぜか記憶がありません。
「心ここにあらず」なのだな・・・・
これからの自分にどう向き合っていくのか、
課題を与えられたような心地がしました。

次の時間が押し迫っての旅もニガテ、
もしももしもまたここを訪れることがあったら、
また違ったひとときであってほしい・・・・
そう思いました。

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2016.11.05 横蔵寺で、即身仏と語らう [諸国探訪]

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2016.11.05 横蔵寺 仁王門


名古屋出張の機会がありました。
空いた時間を利用して、
名古屋から足を伸ばして養老鉄道に乗り込み、
揖斐へと向かいました。

揖斐から日に数本のコミュニティバスに乗り、
横蔵寺を目指します。
横蔵寺の存在に気づいたのは、
出掛ける当日。
ああ・・・そういえばそんなお寺、
聞いたことがあったような無かったような・・・・

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県指定文化財 五重塔


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県指定重要文化財 横蔵寺・本堂 
御本尊薬師如来は60年に一度ご開帳の秘仏


紅葉シーズンが始まり観光キャンペーンもスタートとのことで、
たぶん今回のチャンスを逃せば二度と訪れることがないであろう
横蔵寺への参拝を決意したのです。
このお寺で名を馳せるのは、
若くして即身仏への道を選んだ妙心という僧侶の亡骸。
1815年か1817年、34歳か36歳の時、
信徒に白木のお棺を作らせて、
31日間断食を続け入定されたと伝えられます。
それが伝説であるか否か・・・・
いずれにせよ妙心様は私の目の前で佇んでいらっしゃるのです。

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舎利堂
明治23年にふるさとにお戻りになりました


首を大きく傾けて口を「お」と開いたお顔、
目はどのような意志を込めていらしたかはかることは叶いません。
若さの成せる技か脛は艶々と輝き、
時が肉体を炭か石へと変えてしまったようです。
私の知る肉体とは、
水を多量に含んだ弾力と血流豊富なタンパク質やリンで形成された
物質なのですが。

まさに絶命しようとするとき、
彼にはどんな瞬間が訪れていたのだろう・・・・
怖くはなかったのだろうか、苦しくなかったのだろうか。
ほのかに聞こえてきたように感じたのは、
全て一心に念じたことの果て・・・・

息絶えるまでの身体には、
すでに自分の身を支える力さえなかったのではないだろうか。
そう推し量れるのに、
彼の両手の指先はしっかりと組まれていました。
後の信者に一切の手を加えられていない即身仏、
彼の意志だけが、
両手に力を込めていたのです。

とてもとても私ごときがその心境に達することは不可能、
でも達した人は確かに存在したのだ。
それを教えて頂きました。

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今年は夏が遅くまで続き、
秋を感じる間もなくすぐに冬が訪れました。
例年紅葉で賑わうお寺なのだそうですが、
今年はあまり期待できないようです。
そして妙心さんは、
観光客の興味本位な目にさらされるために
無言で佇むだけです。
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